企業コンサル(顧問)・社内問題解決
会社と社員の温度差は何故生じるのか?
社員は…
現状維持で問題ないと思っている
現状維持の為の努力はしている
なので 必要以上の努力は不要 成長も不要
その一方で会社は….
現状維持では生き残れない
他社競合に負けないように成長する必要がある
両者は前提がズレています
なので社員には「なぜ現状維持で駄目なのか」を理解してもらう必要があります
社員に「なぜ現状維持が駄目なのか」理解してもらう
社員の多くは「市場原理」を理解していません
自社のサービスが売れるかどうかは市場原理により決定される
だから お客様に「選ばれ続ける」サービスを提供する必要がある
その売上げの一部が給料として配分される
この流れを認識しておらず、自分もそのサービスを提供し、活動する一員と認識していません
市場原理を理解しても、自分の給料は市場原理の外にあると考えてます
自分の給料がどこから出ているか?について、何となく「会社から出ている」程度の認識であるのが一般的です
会社はこの市場原理の中で生き残り続けるために、社員が良いサービスを提供するのは勿論「明日もお客様に選ばれるよう、常に努力し進歩して欲しい」と期待している旨、社員に理解してもらう必要があります
社員のニーズと会社のニーズを合致させる
「市場原理の理解」と「社員に努力と進歩を求めること」はあくまでも会社側のニーズです。
それだけでは社員は動きません。会社のニーズと社員のニーズを合致させることが必要です。
社員は会社員という職業を選んだのか?家業を継いだり起業したりではなく、会社員を選んだのには理由があります
社員のニーズは「常に経済的に安定している=安心できる」このニーズと会社のニーズを合致させればいいのです。
会社の期待に応え続けられることが社員の将来の安心に繋がる
「今日良いサービスを提供する」のは勿論、「明日もお客様に選ばれるよう努力して欲しい」と思っていること
それが会社の存続・発展に繋がるから、会社は社員に努力や成長を期待します。そして、それが出来る社員は会社に必要とされ続けるので、社員自身の求める「経済的な安定」はより盤石になります。
もし、会社が倒産しても、会社に嫌気がさしても、他で必要とされる程の人材であれば、転職も容易だから社員自身はより安心できるでしょう。
なので社員の意識を変えるには
- 自社のサービスが売れるかどうかは市場原理により決定される。だから、お客様に「選ばれ続けられる」サービスを提供する必要がある。
- その売上げの一部が自分の給料として配分されている。
- 会社の期待する常に努力・進歩する姿勢が会社の求めるものであり、ひいては社員自身の経済的な安定をより強固にし、社外からも求められる人材となる。
以上の点を繰り返し伝えていけば、互いのニーズも合致しより強固なモノとなるでしょう。
社内問題解決
問題とは?
現実の姿とあるべき姿との差異(ギャップ)である。
課題とは?
問題を解決するために「するべき事」を表明したものである。
問題、課題、それぞれの定義
問題:問題とは現状(実際の姿)と目標(あるべき姿)との差異。
あるべき姿と実際の姿の間にギャップが生じると、その状況を問題だと認識する。
課題:課題とは問題を解決するために、するべきことを意思表明したもの。
問題は、主体的に解決する意思を持って行動を起こすことによって解決に向かう。それが、課題設定する、課題化するということです。
2つの問題解決方法
問題を解決するには問題の種類を明確にしてから始めます。問題の性質を見て解決方法を選ぶことが必要です。
組織でよく使う問題解決方法は2種類あります「ギャップアプローチ」という不具合原因追及型の方法と「ポジティブアプローチ」という未来創造型の方法です。
不具合追及型「ギャップ・アプローチ」の進め方
ギャップ・アプローチとは「問題」を見つけて解決します。不具合の原因を追究して問題解決する方法です。
不具合や欠陥がある場合には改善する必要があります。そのために原因を追究してその原因を突き止め対策を打つのです。最も使われている問題解決方法です。不具合の原因追及は次のように進めます。
① 問題を見つける
② 問題の真の原因を特定する
③ 対策を考える
④ 解決する
不具合原因追及型では真の原因を特定することがカギ
ここで重要なことを確認しておく必要があります。
真の原因が見つからないで手を打っても解決はできません。例えば、故障した機械の部品を交換するときに壊れた部品を見つけないで、他の部品を交換しても修理したことにはなりません。
だから、「なぜなぜ」問答を繰り返し、本当の原因を特定することが原因追及において最も大事なポイントです。
未来創造型「ポジティブ・アプローチ」の進め方
現実の姿とあるべき姿の差異(ギャップ)を、解決するための意思表示が「課題」となります。
組織のリーダーが未来のあるべき姿に向かって、現状を変えていくのが未来創造課題達成のポジティブ・アプローチです。
営業担当者がもっと売れるようになってもらいたい、残業を減らしたい、社内の雰囲気を前向きにしたい、顧客の課題に組織を超えて取り組んでほしい、そんな未来のあるべき姿に対しての現状の差異を「課題」として達成していくのが「ポジティブ・アプローチ」です 多くの場合は次のように進めます。
① 何を検討するのかテーマを明確にする
② それを達成するために「強み」や得意を見つける
③ あるべき姿や目標を共有する
④ 目標の表現方法を考える
⑤ 複数の選択肢を試行し効果の高い方法を実行する
未来創造型ではあるべき姿の実現方法がカギ
「ポジティブアプローチでは未来のあるべき姿を、どのようにしたら実現できるかを考えます。
そのため、「強み」やうまくできていることを活用したり、うまくできないことを改善したり、広い視野で考え直すことも必要です。実現方法の選択肢を数多く出して、うまくいくことを試行しながら効果を高めて常に改善する。
これによって組織は発展・成熟していくこととなります。
問題解決を行う議論
問題解決を行う議論~5階層を知ろう
議論には構造があり、特に問題解決の議論は「明確な5層構造」になっています。
これを問題解決の5階層と呼びます。5階層は事象・課題・原因・施策・効果の5つの要素で構成されています。
第1階層「事象」 :今、何が起こっているのか、業務やシステム、顧客、従業員がどんな状況にあるのかを指す。
第2階層「課題」 :現状の困り事、解決したいと感じること。
第3階層「原因」 :課題が発生しているのは何故か。理由があり背景がある。
第4階層「施策」 :課題を解消しあるべき姿に近ずけるための打ち手、原因を踏まえないと有効な施策は出せない。
第5階層「効果」 :施策を実行するには投資が必要となる。リスクも伴う。得られる効果も大きもさ施策で異なる。
5階層のうちで何処の階層で議論をしているのかをよく観察してみると、Aさんは困りごと(第2階層)の話をしているのに、Bさんは施策(第4階層)の話をしていることに気付けるようになる。これが出来ると随分違ってきます。
実際のプロジェクトでの会話
「ペーパーレスの推進」という施策が打ち出された。しかし、その是非は賛否両論だった。
- ペーパーレスは効果があるという人
- ペーパーレスにしても意味がないという人
- ペーパーレスは手段であっても目的ではないという人
- ペーパーレスであっても有効な施策があり、ペーパーレスありきの人は間違っているという人
- ペーパーレスで逆に工数が増えるという人
こうなると、どこから議論すればみんなの思いがまとまるのか見当がつきません。
こんなときこそ、問題解決5階層の出番です。どこに不満があるのかを確認していきます。
例えば、ペーパーレスありきの議論が気に入らない人は「施策」が出尽くしておらずペーパーレス以外にも施策があり得るのではないかと主張しています。だから「課題」や「原因」に立ち戻り改めて施策のアイデアの洗い直すところから仕切り直すと、ズレが解消できると思われます。
工数が増えると云っている人は「効果」に疑問をもっているから、得られる効果を丁寧に議論する必要があります。
こうしてみても「ほかに施策があるのではないか?」と云っている人と「ペーパーレスで逆に工数が増える?」と云っている人は、違う階層を気にしていることが分かります。これを一色単に議論しても解消できません。
1つずつ階層を分けて議論していくのがよいと思われます。
このように議論には構造があると云うこと。問題解決の場合、5層構造になっていることを理解するだけで、随分と議論の噛み合わせが良くなっていきます。
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