尊厳死宣言の内容

延命治療を望まない尊厳死宣言ですが、実行してもらえるよう、最大限の配慮を持って作成することが必要です。
日本尊厳死協会のリビングウィルや尊厳死宣言公正証書に、記載される、共通の事項があります。

1.延命措置の停止
2.苦痛を和らげる措置は最大限利用
3.食物状態での生命維持装置の停止

加えて、医療関係者や家族が法的責任を問われないように、警察・検察に配慮を求める事項、宣言が心身ともに健康な状態で行われ、自分が撤回・破棄しない限り有効であることも、記載される場合が多いです。
こういった記載事項で尊厳死宣言がより実行され易くなります。

延命治療を望まない「尊厳死宣言」

尊厳死とは?

一般社団法人日本尊厳死協会によると

““尊厳死とは 不治で末期に至った患者が 本人の意思に基づいて
    死期を単に引き延ばすためだけの延命措置を断り自然の経過のまま
    受け入れる死のことと 定義されています„„

尊厳死宣言とは?

将来、自分自身不治の病の末期に至った場合、延命治療を望まない意思を
書面にしたものが「尊厳死宣言」です。

日本尊厳死協会リビングウィル

尊厳死宣言公正証書例

尊厳死宣言をする方が増えています!

沖縄タイムス(2019.10.2)の記事で「終活ブーム」で看護疲れ・医療費負担増を背景に公証人役場にて尊厳死宣言を作成されている方が急増している旨掲載されています。医療の発展により益々、延命治療は高度化していくと思われます。残された家族の負担は経済的にも時間的にも大きくなります。

沖縄タイムス

尊厳死を実現させるためには?

尊厳死宣言の方法としては、日本尊厳死協会に加入しリビングウィルを保管してもらうこと、または、公証人役場にて尊厳死宣言公正証書を作成・保管してもらう方法があります。

様々な手段で「尊厳死」の意思表示が広がっている

> 日本尊厳死協会入会案内
> 公証人役場尊厳死公正証書

尊厳死協会の入会によって、延命治療を望まない旨の意思が尊重されます。
一般的に公正証書にすることで1.証拠能力 2.安全性 3.執行力 4.心理的効果が補完されます。
いずれの場合にでも、尊厳死を迎える状況に前に、家族や肉親や担当医に意思を示し協力をしてもらうことが必要です。

尊厳死宣言書が「最期の治療に生かされた」と回答した遺族の割合90.0%

当事務所では、尊厳死宣言公正証書の作成に伴うご相談や文案作成及び公証人役場での手続をサポート致します。また遺言書の作成を併せて行う方々も非常に増えております。
まずは、お気軽にお問合せ下さい。

尊厳死が進めにくい場合

厚生労働省の作成した「人生の最終段階における医療ケアの決定プロセスに関するガイドライン」によると医師等の医療従事者から、適切な情報の提供と説明がなされ、それに基づいて医療ケアを受ける本人が医療介護従事者から構成される、医療ケアチームと、充分な話合いを行い、本人による意思決定を基本としたうえで、人生の最終段階における医療ケアを受けることが、最も重要な原則であるとされてます。

尊厳死が受入れられない場合、医療ケアチームが尊厳死を受入れないのではなく、まだ終末期でないと判断した結果である可能性もあります。その場合は綿密に話合い、どういった状況にあるのかを把握しておく必要があります。
それでも、中々応じてくれないようであれば、尊厳死(リビングウィル)容認協力医が概ね各都道府県にいるので、ネット等で調べて転院することも視野に入れていた方がいいと思います。

尊厳死宣言 延命治療の果てに…..

先日TV番組にて日本の高齢化について考える番組がありました。
国民の高齢化によって医療費が今の予算では賄えず、消費税も10年後にはあと5%引き上げないといけないと云う試算でした。
増大する医療費の中でも、延命に対する治療の高度化によって延命期間が延ばされ、長期の入院患者が増加し医療費を圧迫しているとのことです。
脳死判定や呼吸判断等、日本では「安楽死」が認められていないために、自分の死に方に際しての選択肢がありません。
私の周りにも、親御さんが入院し寝たきりになるまで10年間、病院へ通った方がいます。時間的にも金銭的にも計り知れない負担だったと思います。私が同じ立場で入院するのなら延命の治療はやめて貰いたいと思ったのが率直な感想です。

日本全体も高齢化社会ですが、人口の20%を65歳以上が占めると高齢化社会と定義されています。
我が沖縄県でも、人口148万人のうち65歳以上の方が30万人を突破し他府県と同様に高齢化社会となっています。
医療を取り巻く環境は厳しくなり、同様に高齢者の入院で家族の負担は治療の高度化で益々大きくなると思います。
自分自身についてのエンディングも考えていきたいものです。

このTV番組を見られたお客様と安楽死の話をしておりました。一旦は法制化の準備もあったようですが中々に進まないのが現状です。
安楽死のように直接的でないのですが、「尊厳死宣言」という公正証書を作成し延命治療を望まない旨の意思表示が出来る制度があり当事務所でも取り扱いしていることを話したら、聞いたこともないしHPにも載ってないぞとお叱りを受けHPを改訂しました。

公正証書以外では、日本尊厳死協会が行うリビングウィル(治療に対する希望表明)で尊厳死が尊重されます。
こちらはお客様に、ご自分でネットか郵送で申し込み手続きをやってもらうことになりますが、年会費が年間2千円と加入し易くなっています。いずれの場合にせよ、周りのご家族や病院に付き添いされる方々に普段から延命治療を望まない旨伝えることが一番に重要です。沖縄でも高齢化が進んでいきます。まずはご自身でこれからの治療のあり方の希望を表明していきましょう。