家族信託に向かないケース

不動産管理の認知症対策に有効な家族信託ですが、不動産の種類により向かないケースもあります。

まず、農地を所有している場合です。田んぼや畑は農地法の規制があり、信託財産とすることができません。
農地は所有者が管理しなければならないという農地法の目的になっているからです。農地の管理については家族に任せるか、農地を承継したい場合は遺言で指定した方が望ましいです。

あと、離婚歴があり前の婚姻でお子さんがいる場合、相続財産に現預金がなく土地だけの場合に全財産を今の奥様とした場合は、前婚のお子さんから遺留分減殺請求された場合に信託のスキームが壊されてしまう可能性があります。この2つのケースは家族信託に向いていません。

遺言書で想いを形に

3月は自殺対策強化月間です、人事異動、転勤、卒業と別れの季節ですが、そう云うことも相まってか自殺者の多い時期だそうです。
自殺とともに、遺書が多く残されるようです。家族のことを考えたり、自分の辛かったことを吐露したりと、死者の気持ちに寄り添えるのは最後に家族と触れ合える意思を残してくれたからではないでしょうか。

いつも遺言書について、発信しておりますが、遺書と遺言書の違いを書いてみます。
遺言書は、死後、法律上の効果を発生させる目的で、一定の方式、事項によって記載される文書。遺書は、死後に心情的な事柄、希望について書かれるもの、書いただけでは法的な効果は発生しない、遺言書にはなれない。

遺書のお手伝いは出来ませんが、遺言書のお手伝いは可能です。遺言書は縁起が悪いモノではありません。
家族に対する、最後の想いを法的に形にできる、いいモノです。
死後の家族へ想いを形にするのも、素敵なことではないでしょうか。

尊厳死の法制化が進まない現状

国民の8割が賛成し、回復の見込みがない、終末期に行われる尊厳死であっても、生き続けられる状態を意図的に止めることに対しては、賛否両論あります。
患者の意思を尊重し、その人らしい最期を迎える方法の尊厳死ですが、実際は増え続ける高齢者の医療費の増加や介護費用の抑制のために実施されるのではないか?と指摘されています。

そして、取扱い上、何処からを延命措置と判断するのか?と云う難しい問題もあります。
尊厳死にとらわれるあまり、本当に治療が必要な人への治療ができなくなる事態にならないように法制化にあったては、明確な基準が必要になるとのことです。

責任

ある社長さんからの質問です。「社内で販売キャンペーンを実施したが、残念ながら効果がなかった少額であるが費用の持出し分が赤字となった」そのことについて、社内で残念だったと云う雰囲気にはなったが誰も総括しようともしない、結果について責任を自覚した発言がみられなかった、結果責任は全て社長ですか?
このキャンペーンも、自分が命じたので責任があると云えば私にもなんですが釈然としません…..。

まず、従業員として働く場合には中々責任を考えることが無いと思います。例えば今回のキャンペーンを命じた部長にしても、社長から言われたのでやった感が拭えません。その部下も上から言われたからが理由になります。
普段から責任の所在を明確にしておくことが大切だと思います。顧客に対しては担当者が責任をもって対応し
クレーム等は都度、上長に報告し同行して謝罪するとか、ざわつくようになったら部長も対応する等の有事の対応方法等を決めて、運用していくことが「責任」を植え付けることになっていきます。

あと、普段から業務の顛末を、会議や上司に対して、説明するような仕組みにすることで「結果」について意識するようにもなりますので効果的だと思います。「責任」や「結果」を考えやすくするような方法を取入れれば自然と「結果責任」が見につくと思います。

最後に、従業員への責任、お客様への責任、株主への責任、社会への責任は、全て社長の責任です。
無論、結果責任も社長です。会社全体で責任を負担することができれば、より良い会社になっていきます。

現場最優先の経営判断を

ヤマト運輸の過剰労働問題や、ゆうちょ銀行の「かんぽ」の不適切販売問題など、経営が現場最前線を把握できない?しない?ことによって現場が混乱し、お客様に大きな損失を与えていることが報道を通して明るみになっています。

あなたの会社は大丈夫でしょうか?現場最前線で働く人の職場環境や労働環境を把握しているでしょうか?
現場の不具合によって、働き手が大きなストレスを受け、それが原因となってお客様にあってはならない損失が生じます。
経営側が現場の実態も把握することもせず、収益拡大のために、ノルマを課した結果、長時間勤務の過労による接触事故の増加や残業代金の未払い、ゆうちょ銀行においては、かんぽの二重契約や高齢者への無断契約などに繋がりました。

経営側の都合だけでなく、現場の声を吸上げ、効率の良い業務の発掘をしていくのが経営の役割りです。
自らの役割も果たさず、現場も把握せずでは収益の拡大はありません。
松下幸之助は言っています「お金を追いかけずに、人を追いかけてきたのでお金が残ったと思います、お金を追いけたらお金は逃げたと思います、人を追いかけてきたからお金が残ったと思います」。

働く人があっての商売です、経営は何よりも現場最優先でなければと率直に思った次第です。

家族信託をするタイミングは

不動産管理の認知症対策に有効な家族信託を組成するのはいつ頃がいいのでしょうか。

問題の顕在化と対策のタイミングで決まってきます。認知症を発症すると法律行為は制限されるため、その後成年後見人が就任しますので家族信託の組成はできません。
では、健康な状態でを考えると、そんな心配しなくとも、とか、早目に対策しそのせいでかえって身体を悪くしそうで縁起が悪いと、中々、踏み出せません。
合理的に考えると、健康にすこしでも不安を感じた頃がいいのではないでしょうか、色々と制度も研究できたり他の方法も検討ができると思います。
きっかけを決めておけば、案外スムーズに運ぶことが多いです。

ただ、注意しなければいけないのは、人によって健康に不安を感じるのに差があります。病気もなく頑強な人は、病気が悪化し入院した頃を、不安に感じた頃と認識してしまいます。せめて他の方法も十分に考えられる時間は必要です。
家族信託の契約期間も最長30年となっていますので、早目に組成する方が一番望ましいのですが、健康に不安を感じる頃よりも、例えば70歳になったからとか、配偶者に健康不安になったときとか、目安を決めておくのもいいタイミングの設定方法だと思います。

遺言書があったら助かるケース

最初に、兄弟だけが相続人になるケースです。

両親のうち、どちらかの親御さんが亡くなり、例えばお、母さんと子供2人のケースです。

相続分は1/2づつです、キッチリ半分にできれば問題ありませんが、揉めるのは持家と現金等分けられないケースです。遺言書で誰に譲るか指定しておけば、お母さんの誰にこの家を譲りたかった気持ちが把握できるので尊重されやすく、揉めるのも少なくなります。

次は、子のいない夫婦です、どちらかが亡くなると、相続は配偶者が3/4と兄弟1/4です。兄弟1人の場合1/4、2人の場合は1/8ずつで配偶者は変わりません。亡くなった配偶者の兄弟姉妹が多いと、意思確認等も複雑になり預金の引出しも簡単にはできません。ですので遺言書で、財産は全て配偶者と指定すれば1/4の財産は換価もしやすいので、揉めるのも少なくなります。
最後は、離婚歴のある配偶者がいる場合です。前婚で子供がいれば、その子供も相続する権利があります。
また両方とも離婚歴がある場合は、その両方のお子様も相続の権利があります。今の婚姻でもお子さんを授かっているなら、相続関係がより複雑になるので、遺言書は必須だと思います。

列挙したケースは、特にトラブルが予想されるケースです。想いを形に代える遺言書の作成があなたの死後をきっと助けてくれますよ。

尊厳死を考えるきっかけになった事件

2005年3月富山県射水市民病院で、末期ガン患者の人工呼吸器が医師によって外される死亡事件がありました。
警察は事件当初「殺人罪」の立件を視野に捜査、起訴しましたが患者の延命治療や家族の介護ノイローゼ等マスコミの連日の報道によって、公に知らされることになり、世論が医師の行為をやむをえないと後押しされるように検察は「殺人罪」について不起訴としました。

この事件をきっかけに国会でも法制化される流れになりましたが、「人の生き方そのものが、法律によってどう生きろと決まってない、にも関わらず、人の死に方を法律で決めるのはおかしい」と云った主張もあり憲法の基本的人権の尊重にあたる等の理由で、現在でも進んでないのが現状です。

民主主義国家、色々な考えもありますが、尊厳死についても基本的人権の尊重にあたるのではないかと個人的には考えております、医療の発展と治療の高度化の歪みの問題ではないでしょうか。

経営とは

仕事柄、経営者の方と接する機会が多く、創業時の苦労や、会社をまわして(経営して)きた意義や人生観を数多く知ることができます。
人生を賭けた戦いそのものであったり、創業することになった出会いであったり、気軽にはじめた事業が本業化したりと、さまざまなエピソードがありますが、その語られるエピソードに共通する項目が多いことにも気づかされます。

不断の努力により、技術や知識を習得しそれを組み合わせて、自らをブランド化し、その価値を向上させる。
その向上した価値が、人の役に立ち、社会全体の役にも立つ、その価値で対価を受け取り、受け取った対価で資本を大きくし、更に価値の向上に向けて、不断の努力を怠らない、その繰り返しが、経営することであると、表現は違えど口々におっしゃいます。

自分のことだけでなく、人の役に立つ、社会の役に立つことを、常に考えていかなければ、生きていけない。このことをストイックに考え不断の努力を惜しまず、継続させていくのが、経営の本質ではないかと感じる日々です。

発言は議論が熟成される過程をみてするのが効果的

〇〇についての会議、ああ会議は苦手だなぁ、いつ発言すればいいのかなぁ~、そんなつぶやきが聞こえてきます。
社内でも課、部、全体会議などよく、開催されていると思いますが、発言の最初は、まず率直な反対意見と賛成意見の表明から始まります。
どうでもいいよと思っている人は別として、多くはどちらかの意見をもっています。この表明をきっかけに、議論は深まっていきます。

人間は、まず〇か×かを判断します。そして、おとしどころを探すことも同時に行っています。ですので賛成か反対の意見が表明され尽くされると、今度は、自分の賛成と反対をベースにして、その賛成やその反対に、全体が許容しうるおとしどころを付して、発言することで議論が深まり、結論に繋がっていきます。
さて、会議で無言と云うのは、周りの目もあったりで良くありません。あまり出しゃばるのが好きでない方は冒頭から発言するのは苦手です。
そして、冒頭から発言し集中砲火を浴びる可能性もあります。どこかで発言をしなければいけない場合は、議論が熟される過程を見て発言することを、おススメしています。単純な賛成反対の表明の後は、全体のおとしどころが何処か?の議論ですので、賛成か反対のどちらかを前提に進んでいます。どちらかに絞られていますから、考える範囲も少なくてすみます。そして方向性は一緒ですので集中砲火、を浴びる可能性もなく、おまけに熟成のピークでの発言であれば、その結論はあなたが導きだした、結論のようにも映ります。効果的ですね。

そう云った効果を狙って、あえて会議の終盤で発言する人も多いです。あなたの周りの出世上手な方もそうではありませんか?
その点に着目し、会議での発言を観察しても面白いと思いますよ。無言ではなく発言は効果的にです。