売掛金はすべて回収できるか

売上が増えると比例して売掛金も増えていきます 業種や規模によっても違いがありますが 銀行借入をする場合に売掛金が増えていると 銀行は心配になります 掛の売上が増えれば増えるほど 心配は大きくなります 掛けで売上げたものの 回収ができない売掛金は 本来 売掛金の勘定科目からは 除かれるべきモノだからです

このようなケースで この会社は適切に処理をしているだろうか 売掛金の増加とともに 回収不能となった売掛金については「貸倒損失」を計上しているか そして 回収不能に備えてあらかじめ「貸倒引当金」を計上しているかで銀行の心配は軽減します

回収不能があった場合の「貸倒損失」や回収不能に備える「貸倒引当金」を計上することによって 決算書は会社の状況を正しく反映させることができます そのことが銀行借入では大切になってきます 正しい決算書を開示するにあたっては 各勘定科目を精緻に証明することにより その決算書の信憑性が増していきます 銀行から一番に把握しにくい 売掛金については 日頃から細部に渡り把握し 経理処理していくことが肝要になってきます。

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売上金の未回収に備えて

売上金が回収できなくなってしまうことを「貸し倒れ」と呼びます 実際に貸し倒れた場合には「貸倒金」として経費に計上して損金処理をすることになります 未回収だった顧客が 法的に自己破産したり会社更生法や民事再生手続を執り 配当が無いなど確定すれば処理は可能です

では 未回収先の倒産が完全に確定しなければ 何も対策はとれないかと云えば そうでもありません 顧客の倒産での未回収に備え「貸倒引当金」が計上できます 税務署から青色申告の承認を受けていれば 顧客への売掛金の期末残高の5.5%を「一括評価引当金」として計上ができます 仮に顧客への売掛金が 期末で1千万円あれば55万円の計上が可能です

但し 倒産等の発生が無く損失のなかった場合は 引当てした金額を全額戻し入れしないといけませんので(実務上は繰入れと戻入れで相殺されます)経費には計上しても 節税のメリットはありません あくまでも備えるためです

会社にとって一番にいいことは 顧客からの未回収がおこらないことです 顧客から未回収が起こらないように 又回収が長期に及ばないように 普段から顧客の様子に変化はないか 風評を聞いたり 同業者から情報を収集して対策をとることが 未回収を防止することに繋がっていきます。

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