消耗品費と事務用品費はどちらかを使用

「消耗品費」は国税庁HPの確定申告書フォームに最初から記載されています 一方の「事務用品費」は会計ソフト等に最初から記載されていますので 両方を使っている会社や事業所は多いです しかし 両方の科目は内容が似た科目であり どっちがどっち⁉の状態になっている場合があります

例えば コピー用紙はどちらでも計上できます よくよく調べてみると 今期は消耗品費で計上した 前期は事務用品費で計上したなど 決算書の一貫性・信憑性も揺らぎます こうやって どちらにも計上できるモノはプリンターのトナー 乾電池 ラベラー パソコンのマウス等数多くあります

 これはどっち?と悩む時間も勿体無い 一貫性・信憑性にも関わりますので 両科目を併用するのではなく どちらか一つにすれば 悩むことも無く 時間をかけることも無くスッキリします 決算期の途中であれば 翌期からは どちらか一方にまとめることをおススメしています。

こうすればもっと良くなる社長の経営№14

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車両に関するモノは「車両費」一択に

車社会の沖縄では 会社や事業所で使用する車両は必須になっていますが 車両に付帯してくる費用は 多岐に亘ります 厳密に経理区分すると その勘定科目も数多く存在します 例を挙げるていくと ガソリン代(燃料費) 自動車税(租税公課) 車検・修理代(修繕費) 自動車保険料(保険料) 芳香剤・アクセサリー(消耗品費) 高速料金・ETC利用料(旅費交通費) 月極駐車代(地代家賃)コインパーキング利用料(旅費交通費)等です

これらを厳密に区分すると勘定科目が多くなり 経理処理が煩雑になります そこでおススメしているのが「車両費」です この科目を使用することで 車両に付帯してくる費用を 一つにまとめることが可能になります この費用はどの科目に該当するか調べたり 考えたりする時間も減ったり 決算期の科目チェックなど管理する煩雑さも解消されます

決算期の途中で変更すると 何かと作業も伴いますので 新しい決算の始まる期首に「車両費」の科目を創設して それ以外の科目を閉鎖すれば 移行もスムーズになります まとめて一択にすることで 車を維持するには 意外とおカネがかかっていると可視化されます 経費バランスを考えたり 見直ししたりするきっかっけにも役立ちます  車両に関するモノは「車両費」一択に を是非ご活用下さい。

会社は生き物  借入・決算(申告)対策は日頃から №009

借入・決算(申告)対策は日頃から | 行政書士ヒューマンサポートオフィス (soudan-aite.net)

日々の変化に対応する決算(申告)対策をサポートします

商品(在庫)・売掛金・短期前払費用で対策

陳腐化した商品(在庫)は売れ残りを経費計上する

季節性などの流行性の強い商品 モデルチェンジにより売れ残った商品は 通常の価格で販売は困難です
陳腐化した商品が売れ残った場合には 時価相当の価額まで 評価減をすることができます
売れていなくとも 取得価格と時価相当の価額との 差額を経費にすることもできます
この対策は 現金の支出も伴いませんので効果的です

回収できない売掛金は貸倒損失や引当金を計上する

回収が危ぶまれる債権は 一定の要件を満たすことによって 損金として処理し対策することが可能です

家賃やリース料を前払して費用処理する

地代・家賃・信用保証料・リース料・ロイヤルティ・支払利息・手形割引料は翌期1年の役務に対する 対価であっても 決算日近くに支払えば経費処理ができる場合もあります
但し 3月決算の会社で 2月に翌期1年分を前払いした場合のように 支払時点から1年を超えている場合には認められません 

固定資産の利用で対策

少額資産の活用

少額減価償却資産のメリット
  • 「10万円未満なら一括費用計上!」
  • 「20万円未満なら一括償却資産として3年償却!」
  • 「30万円未満なら年間300万円まで全額費用化!」※
    ※青色申告の中小企業者が対象

中古資産の購入で早期の償却を図る

中古資産は耐用年数が短く定められています 中古の高級車を購入した場合には 車両登録後3年10か月を経過していた場合は1年で減価償却が可能です
(但し 事業年度の途中に買った場合には 使用した月数分だけしか償却できません)

固定資産の修理支出

建物や機械 コンピューターなどの備品を修理するための支出は 一定の要件を満たせば 修繕費として費用処理できます まとまった支出になると 誤って固定資産として計上されることが多いので こまめに税法の要件を確認していくことが肝要です

福利厚生費を活用して対策

役員の社宅を借りる

役員が賃貸物件に住んでいる場合 会社がその物件を借りて その役員に社宅として転貸すれば決算対策になります 税務上も 役員から徴収する社宅賃料は、相場より安く設定できるようです

徴収するべき適正賃料は 固定資産税評価額から算定されます
床面積が木造以外なら99㎡以下であれば 家賃の20%程度に設定が可能です これ以上の広さの場合は家賃の50%以上の設定が必要です

会社が払う家賃と 会社が役員から徴収する社宅賃料の差額は経費として計上できます 多くの会社が採用している基本的な決算対策です

従業員の社宅を借りる

従業員の社宅の場合でも 適正家賃は低く設定できます
小規模な住宅を貸与する場合の賃料の50%以上の金額を徴収していれば 社員の給与課税もないようです

忘年会・新年会・歓送迎会・親睦会・慰労会

通常に行われている場合は 会社の負担額は 原則として福利厚生費になります 但し 全員参加が原則です
特定の人だけで実施する場合には 給与若しくは交際費となります 豪華すぎる飲食も交際費となります
親睦会や慰安会の場合は 開催頻度が高すぎると給与や交際費となりますので注意して下さい

残業時の食事代

残業時の食事に要する費用を 会社が負担したのであれば 給与として課税はありません
残業は 勤務時間外である必要があるので 宿直日が通常の勤務形態である従業員の場合には適用されません

食事は 残業が終わったあとでもかまいませんが 通常の食事の範囲内である必要があります
残業後に 居酒屋に行った場合には 税務否認を受けることがあるようですので ご注意ください

社員旅行

社員旅行は、次の条件を満たせば、かかった費用を経費にすることができます。

  • 旅行の期間が3泊4日以内であること。
  • 旅行に参加した人数が全体の人数の60%以上であること。
  • 欠席者に現金支給を行わないこと。
  • 少額であること。
    「少額」とは、よく1人当り10万円ぐらいまでと言われています

慶弔費

役員や従業員に 出産祝・結婚祝・入学祝・病気見舞・香典などを支給した場合には 社会通念上 相当と認められる金額であれば、課税はされません

例えば 結婚祝いであれば 5万円程度であれば問題ないようです

交際費を活用して対策

1人5千円までなら取引先との飲食費を経費計上できる

取引先との飲食費でも1人当たり5千円以下であれば 交際費ではなく全額経費として認められます
この規定を使うためには 次の事項を記載した書類を保存しておく必要があります

  • (1)その飲食等があった日
  • (2)接待の相手の氏名(名称)及びその関係
  • (3)参加した人数
  • (4)金額 店の名前及び所在地等

(1)と(4)は領収書で把握することができますので それ以外の事項を領収書の裏面にでもその都度記録しておけば問題ありません

幅広く活用されている規定ですが いくつか間違いやすいポイントがあります

  • 2次会もOK はしごをしても それぞれの店で1人5千円以下であれば 交際費課税されません
  • 社内飲食費はNG 自社の役員や従業員だけの社内飲食は除かれます 社外の得意先等の参加が必要です
  • 得意先へのお中元・贈答品・手土産は対象外
  • 1人5千円を超えたら全額が交際費 1人5千円を超えてしまうと 全額が交際費課税の対象となります
    例えば1人6千円であれば、5千円を超えた1千円だけが交際費となるということではなく6千円全額です

会議に伴う社外飲食費を経費計上する

上記の5千円基準の影響で 1人当たり5千円以下の社外飲食費を会議費として計上し 5千円を超えた場合には 交際費として処理している 会社が少なくありません

1人当り5千円以下であれば確かに会議費で処理しますが 5千円を超えていても 会議の実態があれば会議費で処理することは可能です 重要な商談のために高級ホテル等で会議をすれば 1人当たり5千円以上かかることはあるはずです 5千円を超えても会議に必要な飲食であれば税務否認もされにくいようです

謝礼金を情報提供料として経費計上する

情報提供等を行うことを業としていない相手から お客を紹介してもらい その相手に謝礼金を支払ったような場合は そのままでは交際費扱いになってしまいます

但し 次の三つの条件がそろっていれば 損金として認められています

  • 支払った対価があらかじめ締結された契約に基づくものであること
  • 提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており 且つ これに基づいて実際に役務の提供を受けていること
  • 対価がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること

但し 取引をする相手方の従業員に対して支払をする場合には 交際費とされます
従業員からの紹介は 職務上 その従業員が当然に行うべき業務とみなされるからです
例えば 仕入担当社員が 自分の勤め先A社をB社に紹介して B社から紹介料を受取った場合にはB社の支払は 交際費等となります

優遇税制を活用して対策

中小企業投資促進税制を利用

中小企業投資促進税制は 中小企業における生産性向上等を図るため 一定の設備投資を行った場合に特別償却(30%)又は資本金3000万円以下の中小企業者等に限って税額控除(7%)のいずれかの適用を認める措置のことです(適用期限:令和5年3月31日まで)

【対象設備】
  • 機械及び装置(1台160万円以上)
  • 測定工具及び検査工具(1台120万円以上、1台30万円以上かつ複数合計120万円以上)
  • 一定のソフトウェア(一のソフトウェアが70万円以上、複数合計70万円以上)
  • 貨物自動車(車両総重量3.5トン以上)
  • 内航船舶(取得価格の75%が対象)

人材確保等促進税制を利用

・令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度において 国内新規雇用者に対して新規雇用者給与等支給額の増加割合が 前年度比2%以上であるときは控除対象新規雇用者給与等支給額の15%税額控除ができる制度です
※額控除の対象となる給与等支給額は 雇用保険の一般被保険者に限られない国内雇用者に対する給与です
※設立事業年度は対象外とします

試験研究費の税額控除

試験研究費とは「製品の製造又は 技術の改良・考案・発明に要する原材料費 人件費及び経費 委託費用」 を意味します 研究機関だけが活用するイメージですが中小企業の商品開発でも多用されています
試験研究費の概念は 一般の方が思っているよりも広いので 積極的に検討してください
特に中小企業には税額控除が優遇されています

最後は身近なモノから対策

期末に宣伝広告する

広告宣伝費を期末に計上すれば 売上げ増加効果のほとんどは 来期以降に発生するので対策効果大です
広告掲載が 期末日までに実行されなければならない点に注意してください

消耗品を購入する

会社パンフレットなどの消耗品は 毎期 おおむね一定数量購入して 経常的に消費しているのであれば購入時に損金算入することができます