遺言書 想いを形にしましょう

「遺言書を書くと すぐ死んでしまいそうで縁起が悪い」
「ウチは遺言書を書くほど裕福じゃない」
やはり、生きていく気力に満ちあふれた人は、死後のことなど気にもしないのが実際のところです。
書くタイミングは人それぞれなんだなぁと私自身も感じています。

ある方から問い合わせがありました。元気な奥様を、去年、心筋梗塞で亡くされた63歳の男性で、まさか年下の奥様が突然に亡くなるとは思ってもみなく、亡くなってから俺と結婚して良かったのかとか他の人と結婚してたら、もうちょっと生きてたのではないかとか、俺が酒ばっかりだったから、早く逝ったのではないか、パートナーを亡くした方の思いは、どれほどのモノなのか、後悔や懺悔を繰り返し日々憔悴していたようです。

その方のお話は週刊誌で遺言書の特集があって、いずれは書かないとなぁ、妻のこともあったから早目にしようかな等々で過ごしていた中、夢に奥様が出てきて「ちゃんと書いたのと?」と言った途端に目が覚めたそうです。
ああ、これは遺言書のことだと思い、知り合いを通じて私共に連絡がありました。
縁起が悪い、財産も無くても書いた方がいいんですか?と問われました。遺言書を書いた方は人間ですから早かれ遅かれ皆死にます。
死亡率は100%ですよと申し上げたら、苦笑いされました。

お子さんが二人いて、財産といっても、マンションの一室と現金のみで争いにはならない、からと書く必要はないと思っていたようですが、
遺言書で指定の無い場合の対応や遺留分のお話をしましたら、是非、書かないといけないと、書くことを決意されました。
マンションには住まなくて売却しても、奥様やこれから入るご自身の仏壇のことをどちらかに管理してもらいたい、その分の遺産は多くあげたいとの要望もありました。エンディングの形は表明しなければ伝わりません。遺言書で指示しなければ遺族にとっても違ったエンディングを迎える場合があります。来月の一年忌が済めば、ご長男も結婚されるようです。いい時期にいいお手伝いが出来る自分の仕事に感謝するとともに、奥様自らの夢のご出演できっと天国で喜んでおられるだろうと涙致しました。色々なこと想いは形にしていきたいですね。