売上金の未回収に備えて

売上金が回収できなくなってしまうことを「貸し倒れ」と呼びます 実際に貸し倒れた場合には「貸倒金」として経費に計上して損金処理をすることになります 未回収だった顧客が 法的に自己破産したり会社更生法や民事再生手続を執り 配当が無いなど確定すれば処理は可能です

では 未回収先の倒産が完全に確定しなければ 何も対策はとれないかと云えば そうでもありません 顧客の倒産での未回収に備え「貸倒引当金」が計上できます 税務署から青色申告の承認を受けていれば 顧客への売掛金の期末残高の5.5%を「一括評価引当金」として計上ができます 仮に顧客への売掛金が 期末で1千万円あれば55万円の計上が可能です

但し 倒産等の発生が無く損失のなかった場合は 引当てした金額を全額戻し入れしないといけませんので(実務上は繰入れと戻入れで相殺されます)経費には計上しても 節税のメリットはありません あくまでも備えるためです

会社にとって一番にいいことは 顧客からの未回収がおこらないことです 顧客から未回収が起こらないように 又回収が長期に及ばないように 普段から顧客の様子に変化はないか 風評を聞いたり 同業者から情報を収集して対策をとることが 未回収を防止することに繋がっていきます。

会社は生き物 借入・決算(対策)は日頃から №027

借入・決算(申告)対策は日頃から | 行政書士ヒューマンサポートオフィス (soudan-aite.net)

売上金の未回収に気を付ける

売上があがっても 代金の回収が遅くなると資金繰りが悪化します 未回収分相当の運転資金が増加するからです 売上を計上するまでには 仕入や販売に関する費用もかかり 売上後の代金回収は1秒でも早くと云われる所以ですコロナ禍で 観光や飲食業のみならず 取引をしている会社の業績も悪化しており ジワジワと各分野へ拡がっていくことが予想されます

こういった状況下では「売上金の未回収」が今後は増えるかもしれないと 警戒し備えることをおススメしていますまず 支払日が急に変わったり サイトが長くなったり 徐々に伸ばされている取引先が発生した場合には その代表者に直接会って事情を聞いたり 取引業者など周辺に聞き込み 情報収集をすることも必要です それでも中々状況が把握できない場合には 帝国データバンクなどのリサーチ会社に調査を依頼することも有効です 詳細な調査では それなりに費用も掛かりますが 簡易な情報提供の場合は 低額でも実施しています

売上は回収してナンボとも云われます 新規で取引する会社や取引額が大きくなってきた先 逆に取引額が小さくなってきた先等の状況を 色々な方法で把握しながら 回収サイトや支払い条件を再考していくことも肝要です このコロナ禍での「売上金の未回収」を警戒して 備えるだけ備え乗り切っていきましょう。

会社は生き物 借入・決算(申告)対策は日頃から №014

借入・決算(申告)対策は日頃から | 行政書士ヒューマンサポートオフィス (soudan-aite.net)