会社をどれくらい成長させたか

会社の成長を見る指標で「自己資本」があります 自己資本とは 企業の総資本のうち 返済する必要のない資本のことで 資本金や法定準備金 余剰金などの純資産が自己資本となります       例えば 資本金300万円で開業して 10年経過して自己資本が400万円であれば 10年で資本金が1.33倍となり 1.33倍成長したことを示します この成長のスピードは思い描いた通りなのか 苦戦したのか 評価は社長さんそれぞれです

逆に10年経って 当初の資本金より 自己資本が少なかったとしたら この10年は何だったんだろうかと 自責の念にかられてしまうと思います 元手を増やせていないのは 情けないことだと思ってしまう社長さんも多いと思いますが この3年余りのコロナ禍は 特殊事情で例外の期間として 除外して考えても 決して間違えではないと思います

自己資本が増えたのか 開業当初の何倍に成長したのか?それも増資ではなく 利益の蓄積である利益剰余金で これこそが 長年に渡る社長さんの実績であり評価になります 損益計算書は 1年を見るモノですが 貸借対照表の自己資本は とにかく積み重ねの歴史です 1年だけ良くてもだめです
                                              毎決算期ごとに 自己資本が開業時から何倍に成長したのか これを意識して 今までの社長さんの努力の証として 自己資本を増やしていくことを 経営の至上命題にすることが 肝要であると思います

上原輝夫 / 人と経営を大切にするプロ – [マイベストプロ沖縄] (mbp-japan.com)

   

純資産(資本)を増やす

お子さんや親族に会社を続けて欲しいが もし断られた場合を想定して会社を売却する場合には 負債があると買い手が着きにくいから 借金を出来るだけ減らして売り易くした方がいいと 資金に余裕がでる毎に 借入金の償還を急ぐ社長さんがいらっしゃいます 手堅い一手だと思いますが 別の方法をおススメしています

それは 純資産(資本)を増やして事業の価値を上げる方法です 貸借対照表の左側の「資産」から右側の「負債」を引いたモノが純資産(資本)になります 今ある「資産」をすべて売却して現金化して「負債」を返済した後に残るものが純資産(資本)です

会社を売却する時に 純資産(資本)が多ければ多い程売り易くなります ですから 急いで借入金を返済して現金が少ない状態より 借入金もあるが預金も多い方が 運転資金にも余裕があり 返済できるだけの利益をあげられるビジネスモデルであることの証明にもなります そして 買い手も着き易くなります

では 純資産(資本)を増やす方法は? ですが それは最大限に「利益」をあげることです 毎年の決算の終わりに 税引後の利益は「利益剰余金」として純資産(資本)に組み入れられ自然と増加していきます もしあと数年後に後継者に継ぐ場合でも 売却する場合にでも 引継がれるメリットが大きくなります

事業承継や売却が近い場合は 決算対策で備品等の購入や 接待費を増やしたりの「経費」を増加させての節税をするよりも 過度な節税を避け 適正な利益を計上し納税して 現金を増やすビジネスモデルを構築させることこそが 次に繋がる最良の一手であると思います。 

会社は生き物 借入・決算(申告)対策は日頃から №017

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「利益剰余金」は利益の足跡

利益剰余金って そんなにウチの会社にはおカネは無いんだよと 誤解される社長さんがいらっしゃいます 利益剰余金=現金ではなく 「利益剰余金」は過去の利益の蓄積を知るための勘定科目になっています

決算で利益(当期純利益)が計上されれば その利益は翌期へ繰越されます これを「利益剰余金」といいます   逆に赤字で損失(当期純損失)が計上されれば 同様に翌期へ「繰越損失」として繰り越されます 貸借対照表に「利益剰余金」が計上されていれば その会社は収益力のある黒字会社と判断が出来ます

例えば 利益剰余金が1,000万円で 決算期が5期目であれば 平均して毎年200万円ぐらいの利益を計上しているんだなあと想像でがきます 冒頭の事例のように現金が1,000万円あるには直結しませんが 利益計上を続けた結果ですので5期前より 間違えなく現金は増えていると考えられます

会社の利益を増やすことは 会社の力も強くなり 何よりそこで働く 社長さんや社員さんの家族の幸せにも繋がっていきます 「利益剰余金」は会社の成長の足跡だけでなく 関わる人の成長の足跡でもあるのではないでしょうか「利益剰余金」の意義を活かしていくことが肝要です。

会社は生き物 借入・決算(申告)対策は日頃から №013

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