個人事業主の節税の勘違い 

「経費が多ければ 税金が少なくなる」のは云わずと知れたこと それならば….利益が増えて税金を払うより 経費を増やして 税金を少なくしてやろうと目論む 個人事業主の方が多いですが 税金を減らす事=手元の現金が減ることを 理解しないと 困る事にもなります

例えば 大まかになりますが 年間の収入が800万円の場合で 経費額が300万円の場合 800万円-300万円=500万円が所得税の対象になり 支払う所得税は500万円×20%=100万円 100万円を支払っても400万円は手元に残ります

ここで 100万円の税金を支払うのが嫌で 飲み食いを増やしたり 旅行気分でセミナーに参加したり 必要性の低い備品を買いまくって 経費を200万円を増やし 計500万円の経費にしました 800万円-500万円=300万円      300万円×20%=60万円 60万円支払って 手元に残るのは240万円です

経費を増やすことによって 100万円の税金を60万円に減らす事に成功しました 一方 手元に残った現金は400万円から 240万円に減ることになります 単純に考えると税金を40万円減らすために 現金が160万円も減ってしまったと云うことです

必要な経費であれば 特に問題ではありませんが 節税のために経費を増やすことが 浪費に近ければ 凄く勿体ない事です 仮にこの後 新しいビジネスの元手に 加盟金が400万円必要であったなら 経費を増やさなかった場合は 即出資の検討が可能ですが 過度な節税をして現金を減らした場合には 追加の調達が必要です 調達が遅くビジネスチャンスを逃すこともあります                 

過度な節税よりも 必要な経費は惜しまず支出し そこでかかった税金は 躊躇なく支払い 今後の事業の為に現金はストックしておくことが 何よりも肝要になってきます。

こうすればもっと良くなる社長の経営№26

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黒字にしたのに減額された

銀行借入れをするために 決算書を黒字にしなければいけないと 思い込んでいる社長さんが多くいらっしゃいますすべてのケースには当てはまらないのが 実情です 例えば 役員報酬が600万円の社長さんが 経費節減のために報酬を半分の300万円にしたケースでは

300万円も節減したのですから 赤字から黒字転換に成功しましたが 節税の点から利益は多く計上しませんでした 銀行の融資担当者からは 中学・高校に通うお子さんもいらっしゃるのに 300万円で本当に生活ができるんですかと心配される結果に

更に節税で利益を少く申告したため 黒字化されても融資額が減額されました 売上はこの3年ほど変わらず決算も赤字続きでした せっかく黒字にしたにも関わらず 融資額は3年前の赤字の時より 減額らされて非常にガッカリされておられました

銀行借入れでは 利益と減価償却費が返済財源と認識されています 赤字で利益が計上されない場合は 社長さんの役員報酬が加味されます 今回 経費節減したものの その分で上がった利益を そのまま申告していれば 返済財源として見込めたにも関わらず 過度な節税対策をしたため 利益計上が少ない=返済財源が少ない と判断され 赤字の時より 借入額が減額されました

決算書は 貸す側の立場からも黒字が望ましいとされますが 会社の状況によって絶対ではありません 無理して黒字化するのではなく 会社の状況に合わせて 日々黒字化を意識し改善を実践していくことが肝要になってきます。

借入・決算(申告)対策は日頃から №041 

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経費は増やさない‼

税金を少なくするために利益を減らそう 利益を減らすために経費を使おうと云うことで 決算月が近くなると経費を増やすことに専念する社長さんが多くいらしゃいます その甲斐あって 利益は減り 支払う税金も少なくなりました しかし その反面では 会社からおカネは無くなっています

例えば 150万円の利益があがった場合は 税金の実効税率が24%とすると 支払う税金は36万円で 差引き114万円のおカネが会社に残ります 反面 接待や福利厚生や研修旅行や備品購入で経費を増やし 利益を大幅に減らし50万円までに 利益を引下げした場合 支払う税金は12万円となり 差引き38万円のおカネが残ります

税金は36万円から12万円へと 24万円も大幅に減らすことに成功しましたが 一方では 会社に残るはずのおカネが114万円から38万円に激減しました 会社の資金が潤沢である場合は 影響は少ないと思いますが 借入で運転資金を賄っている場合は この差は借入に際しても 非常にインパクトが大きい数字です

会社は利益で蓄えたおカネを元手に 設備の更新や新規事業への投資をしながら成長していきます 人間と同様に会社は生き物です 適度な節税も大切ですが過度な節税は成長を停滞させます 経費は増やさず適度の範囲で 必要以上には増やさないことが肝要になってきます。

会社は生き物 借入・決算(申告)対策は日頃から №023

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利益は少なくていい⁉

決算期に 当期利益があまり出なくて良かった ゼロに近ければ近いほど税金を払わなくて済むからです 決算対策で 社員にも臨時ボーナスも出したし 取引先の接待費も増やし 利益は限りなくゼロになったと安堵の表情 本当にそれが 妥当な行動であるかといえば 決しておススメはできません

そういった考えでは 会社は持続し成長する力を無くしてしまっているからです 会社は人間と同様に生き物であると言われます 持続し成長するためには 力を蓄えなければなりません それは利益を出して納税し 現金を増やしていくことです その現金を元手に 新たな事業を展開したり 不況期には耐え凌いでいく資金となります

節税自体は 否定されるものではありませんが 過度な節税には注意が必要です 税金を払うくらいなら 経費で使うは過度な節税です 利益は少なくていい経営では 会社は弱くなります 過度に税金を嫌わずに 利益を出し 納税し しっかりと力を蓄えていくのが肝要です

会社は生き物 借入・決算(申告)対策は日頃から №021

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純資産(資本)を増やす

お子さんや親族に会社を続けて欲しいが もし断られた場合を想定して会社を売却する場合には 負債があると買い手が着きにくいから 借金を出来るだけ減らして売り易くした方がいいと 資金に余裕がでる毎に 借入金の償還を急ぐ社長さんがいらっしゃいます 手堅い一手だと思いますが 別の方法をおススメしています

それは 純資産(資本)を増やして事業の価値を上げる方法です 貸借対照表の左側の「資産」から右側の「負債」を引いたモノが純資産(資本)になります 今ある「資産」をすべて売却して現金化して「負債」を返済した後に残るものが純資産(資本)です

会社を売却する時に 純資産(資本)が多ければ多い程売り易くなります ですから 急いで借入金を返済して現金が少ない状態より 借入金もあるが預金も多い方が 運転資金にも余裕があり 返済できるだけの利益をあげられるビジネスモデルであることの証明にもなります そして 買い手も着き易くなります

では 純資産(資本)を増やす方法は? ですが それは最大限に「利益」をあげることです 毎年の決算の終わりに 税引後の利益は「利益剰余金」として純資産(資本)に組み入れられ自然と増加していきます もしあと数年後に後継者に継ぐ場合でも 売却する場合にでも 引継がれるメリットが大きくなります

事業承継や売却が近い場合は 決算対策で備品等の購入や 接待費を増やしたりの「経費」を増加させての節税をするよりも 過度な節税を避け 適正な利益を計上し納税して 現金を増やすビジネスモデルを構築させることこそが 次に繋がる最良の一手であると思います。 

会社は生き物 借入・決算(申告)対策は日頃から №017

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ラジオ出演します4/20(火)PM4:00~

当事務所がスポンサーになっている FMレキオ80.6MHzで毎週火曜日の 午後4時から放送の「克江の火曜日の耳薬」に第3火曜日にレギュラーで出演しております 今月は4月20日になります 今回は「過度に節税し過ぎるといい結果にはならない」を主なテーマにしております 当事務所のホームページやサイマルラジオ (simulradio.info) から聴取が可能です 番組内でも「借入」「決算対策」「経営の困った」の質問を受け付けております ご要望・お問合せ | FMレキオ (80.6MHz) 沖縄 那覇市のコミュティラジオ放送局 公式ホームページ (fmlequio.com)お気軽にお問合せ下さい。